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北海道北日高日勝峠付近 
日勝ピーク(1446m)・熊見山(1175m)

 熊見山から狩振岳へ続く尾根
  

【日  付】 2019年05月10日・12日(土曜日)

【メンバー】 L:(久曽神) 礒田 計2名

【コースタイム】 
05月10日 日勝峠トンネル出入り口9:12→沢→10:46頂上稜線東端11:08→ハイマツ薮→11:15日勝ピーク山頂11:34→ハイマツ薮→11:50頂上稜線東端11:56→沢(昼食)→12:44日勝峠トンネル出入り口

05月12日 日勝峠展望台取り付き道路入口9:15→9:39展望台→9:48NHK施設→10:52熊見山→12:06P1327.8m12:23→引き返してコルから下る12:41→13:18日勝トンネル西側三国の沢覆道跡地13:28→日勝峠展望台道路入口

【コメント】
 北日高を横断するルートは2つ、狩勝峠と日勝峠を通るしかない。南の日勝峠の南北の山を05月10日と05月12日に登った。Lの調査では過去05月15日で峠にも積雪があり残雪登山を楽しんだ記録があるという。しかし今回は十勝でも冬の積雪量と回数も少なく4月に季節外れの暖気が襲い既に薮が出てしまっていた。雪山を楽しむというより薮を抜けるのに苦労する山行であった。航空券の事前手配が季節の変化と齟齬をきたすこともあるという例である。ところで

05月10日 皮肉にもこの日は寒気団が北海道を覆い、北日高は北西の風に乗った黒雲が流れて小雪も降り日勝ピークからも展望も限られた。薮が出ているとはいえ日勝峠のトンネル西口から日勝ピーク稜線東端までは雪を探してスムースに登り降りることができた。難関は頂上稜線上のハイマツ薮である。Lによれば南日高P1088から豊似岳の間のハイマツ薮より密で手ごわかったということだ。せめて山頂部を雪が覆っている時期に登山されることを薦める。

05月12日 事前に三国の沢覆道西にあるという熊見山~双珠別~狩振岳コース登山口を探したが三国の沢覆道そのものがなくなっているため見つからなかった。そこで登山口を日勝峠展望台取り付け道路入口に代え、下山時刻を決めていくことができるところまで行くことにした。日勝峠から尾根までの標高差がわずかでしかも展望台、NHKの施設までの道は整備されているのでハイキング気分で歩けた。NHK施設から薮が出ていたがわずかな薮漕ぎで尾根の東側にある雪堤に乗ることができた。熊見山までの長いアップダウンは雪堤の上を歩いた。所々のピークで雪が切れて薮漕ぎをしなくてはならなかったが薮は短かった。熊見山の西のP1327・8mまで行って雪の南尾根を下った。尾根分岐を南東に向かい樹林帯の薮に入った。樹林帯には雪を残した小沢が行く筋もありそれらを拾いながら下って堰堤のある大沢に出て国道に到着した。逆コースでP1327・8mに登れば双珠別~狩振岳往復もできよう。もちろん薮が雪に覆われている方が好ましい。この地点から日勝峠展望台取り付け道路入口までの登りを歩いて10分だ。駐車は国道の路肩にせず取り付け道路入口が適切と思う。
 詳しくは記録を読んでいただきたい (記:礒田)

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     (写真 礒田)
 
05月10日    
05月12日    
         
 【記録]
 北日高には北から佐幌岳 1,059.5 m 、トマム山 1,239.3m 、狩振岳 1,323.2 m 、熊見山 1,175 m、ペンケヌーシ岳 1750.2 m、芽室岳 1,754 m 、剣山 1,205 m、チロロ岳 1,880 m、伏美岳 1,792 m 、ピパイロ岳 1,917 m、1967峰 1,967 m、帯広岳 1,089.1 m 、北戸蔦別岳 1,912 m、戸蔦別岳 1,959 m、神威岳 1,756.3 m、日高山脈最高峰の幌尻岳 2,052.8 m 、十勝幌尻岳 1,846.1 m 、札内岳 1,895.6 m 、エサオマントッタベツ岳 1,902 m などの有名な山々がある。
 05月10日
 Lの調査では日勝ピークは近郊のオバサン連が雪遊び登山を楽しむ山とのことである。だが日勝峠から望む日勝ピークは既に雪解けが随分進んでいるように思えた。案の定、駐車した日勝トンネル西出入り口には雪がなく見下ろせば沢の底に僅かな雪が残って両岸は笹薮となっている。雪遊びするときには沢は雪に覆われて斜面に直接足を入れることができるのだろう。今日は笹を掴み沢に下って登り、薮を掻き分けて登らなくてはいけない。日勝トンネルから上は針葉樹林に笹や灌木の交った薮と雪田が段々に重なっていた。雪を拾うにもその前に薮に入る必要があるようだ。
 峠と頂上の標高差は約450mしかないと呟いて、ともかくアタックザックを背負いピッケルを持ち沢の汚れた雪の上に降りた。何か立札のようなものが横たわっている。読めばバックカントリースキーヤーへの注意であった。もとは深い積雪に立っていたが雪が融けて倒れたのだろう。まずトンネル出口の橋に向かって笹薮に入った。次はできるだけ長い雪斜面を選んで登る。針葉高木の根元にはもう雪がなかった。斜面が次第に急になる。笹薮がハイマツ薮に代わったところも多い。残雪の急斜面の上を流れる雲が厚く黒く変わってきた。振り返れば目の下に日勝峠~熊見山が見える。ハイマツ薮の上は、踏み抜けば膝上まで潜る深い腐雪で閉口して笹薮に沿う薄雪を選んで急登した。残雪の急斜面の最上部には頂上稜線が見え、左手後ろに頭を回せば狩振岳から十勝平野を展望することができる。山を渡る黒雲の帯は十勝平野に下る途中で切れていく。頂上稜線が目前になると雪の上に多数のスキーシュプールがあった。立札の文句を思い出す。待っていたLに何時ものように遅れを詫びて水を飲む。ここが山頂かと思ったが頂上稜線のハイマツ薮にLは突入した。背丈を越えるハイマツの枝を掻き分けるというよりは体を狭い隙間に押し込んで幹を跨ぎ枝を引くような密薮であった。根元にイソツツジなどの灌木がある場所やダケカンバが混じっているところに来るとハイマツ薮も幾分緩みホットした。驚いたことに尾根に背丈ほどの岩が立つ。薮でも苦労したがアイゼンの爪を割れ目に立ててどうにか上に出ることができた。頂上からかLの激励の声が飛ぶ。ハイマツ薮切り開きのある日勝ピーク山頂1446mに到達した。山頂のハイマツ薮の先には雲を被った雪山が続き、そちらから雪のベールを垂らした黒雲が流れ来っていた。腰を低くして風を避ける。
 小雪が舞うなか薮に備えアイゼンを外して切り開きを出発した。頂上稜線の南側は崖、真ん中は密薮だが北側はすこし緩い斜面があるはずと岩の左側を薮漕ぎして雪田を探す。Lの声で雪の上に出たことを知る。薮沿いの残雪の上を歩いて頂上稜線東端に帰り着いた。
 急斜面に備えてアイゼンを再び履く。注意して急降下しつつルート探索すると尾根の東側は残雪斜面が長く続いていることが分った。標高約1160mまで下って西に曲がり雪を拾って薮をできるだけかわす。登ってきた我々の足跡に出会い、それをトレースして沢手前の笹薮に下りついた。アイゼンを外して薮を掻き分け、沢を渡り車に帰還する。荷物を纏めて車に乗り込むとエゾギツネが出てきた(餌をねだっていたのかも)。我々を見送りしてくれたと思おう。
  日勝峠を西に下って三国の沢覆道を探す。狩振山登山口は覆道の西ということだが沙流川沿いに随分下っても地形図にある三国の沢覆道が全くない。山側には広めの路側帯が続き、路側帯が切れる沢の入り口はネットフェンスで遮られている。路肩に工事車両2台ほど駐車し、その西の沙流川側に作業小屋があった。GPSで標高を確かめながら西に下っても、結局、狩振山登山口駐車場所を見つけることができずに引き返す事になった。「車が停まっていた場所かしらん」とLは言う。次善策として日勝ピークから見えた日勝峠展望台取り付き道路の入口を確認し12日訪れることにして、次の目標の狩勝山登山口を確認するため狩勝峠に向かった。
 狩勝山登山口向かいの駐車場(降雪測定箱広場)を見つけることはできたが狩勝山取り口は雪なし高木林の笹薮で登山できそうにない。断念して狩勝峠に帰り芽室町の新嵐山荘に向かった。なお新嵐山荘で従業員の方から「この冬の積雪5cm程度が3回きり 」と聞いた。夏道のない薮山の登山は諦めムードである。
 05月12日
 11日は金山湖保養センターに泊まり、12日に日勝峠展望台取り付き道路入口についた。今朝は好天である。日勝峠から展望台への道に入り登りかけた時に上から自家用車車がバックで降りて来た。駐車スペースがないのだろうと我々も石碑がある入口までバックで下って駐車した。
 ザックを背負って取り付き道路を歩いて数分登ると曲り角に車が2台駐っていた。曲がり角の先には道幅一杯の残雪があった。駐車スペースに余りはない。道路の残雪はつながらず、日当たりがよいところは切れている。周りの林からはウソ、カラ類、コマドリ、ウグイスそしてツツドリの囀りが聞こえた。標高点1106mに登ると広場になっており展望台が立っていた。その下で3人が歓談、広場の端に2名が休憩中、林の中のどこからか作業の掛け声も聞こえてきた。日勝峠説明案内もたつ。日勝峠展望台とはここかと思ったが細くなった刈り払い・砂利道がさらに続く。道の脇にはヒメイチゲが白い花を開いていた。標高約1160mにあるNHK施設の先は道が消え笹薮になる。「熊見山は残雪が続いているのだろうな」と思いながら日勝峠車道を見下ろした。先ほどの櫓が日勝峠展望台だ。
 ダケカンバ・笹薮を抜けると雪があった。アップダウンがある雪堤が続いて残雪期登山らしくなった。P1199mに登って熊見山から狩振岳へ続く長い尾根筋を眺めた。どれが狩振岳か、同じような峰々見える。ひとまず熊見山へ雪堤を辿る。やはりピークでは雪堤が落ちて薮が出ていた。尾根側の薮を掻き分け次の雪堤を探して乗る。この繰り返しだが途中で見下ろす十勝の盆地(平野?)が美しかった。しかし標高点1150mでは笹・ハイマツの薮がしっかり、がっくりする。Lの後を追って薮を抜けて雪堤に出た。熊見山とP1327・8mが目の先に出てきた。数分の登りで熊見山山頂についた。標高1175mだから日勝峠から標高差で175mしか登っていないが道程は長い。続いて熊見山からP1327・8mに向かった。名もないP1327・8mだが立派な姿だ。P1327・8mの頂上には三角点があるはずだがもちろん残雪の下だろう。
 P1327・8mからから引き返して南へ下る尾根の入口を探す。P1327・8mの南斜面側は小木と薮が立っていた。が、Lが目をつけていた薮の切れ目通ると南尾根の東側雪斜面に出た。この雪斜面は広く、斜度も適当でルンルン下りが楽しめる。東側には登ってきた尾根が見える。尾根が南西と南東へ分岐するが日勝峠に近い南東に向かった。雪斜面の先はダケカンバの疎林になり、谷を経て熊見山の稜線が立つ。谷手前の南東尾根は針葉高木と薮だ。地図読みして谷の右岸の樹林帯の薮に入った。といってもできるだけ残雪を辿って日勝峠に向かう。大きな残雪帯がなくなると小沢にたまった雪を拾う。倒木が小沢を塞いでいる場合には笹薮に上がって次の雪が溜まった小沢を探す。とうとう雪が薮に消えてしまったが大きくなった車の走行音で元気づけられた。笹薮の先に堰堤が見えた。沢の右岸から左岸に渡り笹薮をかき分けて下流の堰堤下に出る。最後は沢出口のネットフェンスの隙間を通って国道脇の空地に出た。10日に自動車が駐車していたポイントに近い。
 一休みして国道の路肩に登った。広い路側帯が日勝峠の方に登っているが車道の間には側溝と段差が設けられている。車高の低い車を路側帯に入れるには注意が必要だ。つまるところスノーシェイド(三国の沢覆道)は撤去されていたのだ。地形図(国土地理院電子地図)に頼りすぎるとこういうことになる。路肩を歩いて日勝峠展望台取り付け道路入口に向かった。車について時計を見ると沢出口から約10分、これなら日勝峠展望台取り付け道路入口に駐車して歩いて狩振山登山口に取り付くことができよう。
  三国の沢覆道が撤去されていたため今回の熊見山~双珠別~狩振岳は日勝峠展望台~熊見山~P1327・8mになってしまった。それはそれで楽しめた。下山後は最終日・予備日にLが備えた「くったり温泉レイクイン(新得町)」に向かった。