越生 金毘羅山~笹山~東砥山~西山高取~幕岩展望台~だいこう寺跡展望台~桂木山~大高取山~神の座山~高取山

【日付】              2023年12月03日

【メンバー】      L:TI、SL:SO、他2名

【交通】 参考までに

(往路)和光市(東武東上急行森林公園行)09:58~朝霞台10:03~志木10:06~10:30坂戸(東武越生線越生行)10:34~10:52越生

(復路)越生(東武越生線坂戸行)16:39~16:58坂戸(東武東上線急行池袋行)17:01~17:25志木~17:27朝霞台~17:33和光市

【コースタイム】

越生駅(集合)11:00~11:28金毘羅山~11:45五大尊~11:58笹山~12:18東砥山~12:23西山高取(昼食25分間)12:50~13:22幕岩展望台~13:30だいこう寺跡展望台~柚子園~14:19桂木観音~14:33桂木山~14:46大高取山~14:57神の座山~引き返す~15:09大高取山15:13~高取山(高取神社)~16:33越生駅(解散)

(TI:コースタイム記)

【コメント】

目的は参加者が負った怪我・手術等のリハビリと黄葉ならびに関東屈指の柚子の里の初冬を楽しむことだ。

志木駅でTI、SO、STが顔を合わせた。満席近い東武東上線で坂戸まで、坂戸で乗り換えを急いで無事に越生線に乗り継いだ。越生駅西口道灌おもてなしプラザで先着していたKAと合流する。西口には公衆トイレがある。八高線沿いに北へ道なりに進んだ。越辺川に架かる最初の橋に出会う。横断歩道まで遠いので近道をした。草に埋もれた階段を河岸に下り橋の下を抜けて次の階段を登り返して土手(徒歩・自転車)道に戻った。ズボンにセンダン草やチジミザサの実が幾つも刺さってチクチクする。いくつかを取り去ったが多くの残りがある。橋の北脇にある溝を覗くと氷がはっている。気温が予報通り-2℃であった証拠を掴んだ気がした。そよ風が渡る土手の西下にある広い敷地内の道すぐそばで遊んでいる数頭のヤギを見ながらお喋りをして北に進む。越辺川も河川工事中で流れに水鳥が一羽もいなかった。その代わり越辺川西岸に大木のイチョウがまるで黄金のコスチュームを着たトトロのように膨らんで立っていた。小鳥に似た黄葉を何枚か土手道に散らしている。夜間スポット照明もある。ここは陶芸教室兼カフェのようだ。越辺川に架かる橋を東に渡って直ぐの車道を北へ曲がる。越辺川の河原では家族連れが声をあげて遊んでいた。東側に金毘羅公園の道標を見つけて石段を登る。急な階段にはステンレス手摺があるので安心だ。

階段の上には小さな社があり「金毘羅山」の山名標が立っていた。本日の第1峰を確認した後、琴平神社参拝後、獅子岩古代祭祀場に足を運び、急な階段を敬遠して遠周りの巻道下って車道に出た。越辺川に架かる橋に戻り、西に直進して頻繁に車が往来する広い車道を北に曲がった。すぐに五大尊・つつじ公園の道標が現れ、素戔嗚の命の山車を納めた高い倉庫脇を曲がって西進する。入口に立派な枝垂れ桜が植わった駐車場についた。公衆トイレがある。北東に躑躅などの木々に隠れた赤屋根が見える。それを目標に日本一と言うつつじ園の中を進み、階段を登り、五大尊の明王堂前に着いた。お堂の北側に小さな木の道標が立ち、笹山登山口と記してあった。

檜・杉人工林に入り踏み跡を辿る。鹿の寝床が幾つもあった。なかなかの急斜面で尾根に出るまでにすこし汗が浮かんだ。尾根の北は林床にフユイチゴやアリドウシが生え、ヒサカキなどの常緑樹が茂った杉・桧・ナラ等の混淆林で、その向こうのおごせGCから林を通してプレーヤーの声も聞こえてきた。背後の越生町の方からは八高線を走る列車の音も時折耳に達してくる。ナラ等の落葉が積もる尾根道を南に少し進むと山名標「笹山」が出てきた。山名標がないと山かどうかわからない。尾根道が緩い登りになり、麓から正午のチャイムが響いた。すこし登る。

「東砥山」に着いた。明るい小峰に山名標が立つ。砥とはトイシと読むらしいがそれと思わせる露頭や坑口などはない。少し下って登り返す。東側の黒木人工林で間伐が行われたせいで徒歩道が明るく落ち葉が減って土道が出てきた。平坦な尾根になると小岩の露頭が現れるが砥石に使えそうもない。大高取山分岐を過ぎて「西山高取」に到着した。登山日和の日曜日と言うのに、ここまで会ったのは男性1人である。南東側斜面が切り開かれて関東平野が明るく広がっている。

西山高取の丸太ベンチに座って腕時計を見る。ほぼ予定の時刻だ。晴天、陽光の下、越生、毛呂、埼玉南部から東京中心部を展望しながら各自、昼食を摂った。すこし離れた森の上を2羽の鷹(鳶かも)が静かに舞う。背中しか見えないので判別が難しい。見失った後にはカラスの鳴き声のみが聞こえて蒼天も虚しい。25分後にザックを背負って大高取山ハイキングコースに下る。

ハイキングコースは平坦な巻道で歩きやすいが見上げると西山高取側斜面には間伐材が上まで散らばり心苦しい。分岐から尾根コースを取りコウヤボウキ、ヤブレガサ、ミヤマシキミなどの初冬の姿を見て瘤から急斜面の九十九折ザレ道を注意しながら巻道コースへ下った。巻道では大高取山から支援学校児童とその保護者と思われる人たちが多数下って来た。挨拶を交わした。分岐から山道を虚空蔵尊・幕岩へ向かい巻き気味に下った。黒木の林床には常緑樹の他、コアジサイ、ムラサキシキブやコゴメウツギなどが茂っている。すこし進むと黒木の下草にイノモトソウやイワガネソウが覆っている斜面が出てきた。少々のアップダウンの後、大高取山・幕岩分岐を幕岩展望台に下った。 

「幕岩展望台」に飛び出す。ここからの展望は西山高取より視野が狭いがより西側の麓が見えた。右手の急な階段を下る。「土留の両端にマーカーがあり、手摺も付いているので安全」との声が上がった。階段下は虚空蔵尊・だいこう寺跡展望台分岐で、今日はだいこう寺跡展望台に向かう。進むと左下に地形図には記載のない整備された広い道が見えた。広い道との合流点には道標があり、下れば虚空蔵尊、登ればだいこう寺跡展望台に向かうとある。

坂を登って「だいこう寺跡展望台」に着いた。ここにも丸太ベンチがあり、そこから見下ろすと谷間に麓があるが西山高取、幕岩展望台より展望範囲はとても狭い。下山・日没時刻を見計らって「西山富士~虚空蔵尊桜山~虚空蔵尊~檜大木ルート・コクラン保護地~桂木観音」を歩くのを諦めて、だいこう寺跡展望台から桂木観音へ直接、向かうこととした。だいこう寺跡展望台の看板から尾根に向かって少し登り返して黒木人工林斜面の暗い細い巻道を南に進む。巻道を多数の獣道が横切り、猪と思われる獣が掘り返した跡もそこここにあった。日の光が失せたので年齢相応の視力低下をぼやく声が交差する。見えにくいのはTIも同じだ。尾根から下ってくる踏み跡と合流し、桂木観音・ユーパーク・大高取山分岐に着いた。巻道を桂木観音へ下る。たわわに実る柚子の黄色に輝く実を見ながら上下の柚子園脇を過ぎる。下の柚子園は春にサクラソウ(園芸種)が桃色の絨毯になると話して舗装車道に着いた。ここに道標がある。我々が来た方向は越生駅と書いてあった。なるほど最後は越生駅に通ずると感心した。舗装道路は広いが曲がりくねっている上に急登り、これまでの徒歩道を歩くよりきついとの声が上がる。救いは3か所の道端庭先販売所だ。柚子や小粒の福蜜柑を一袋¥100で売っていた。今日のメンバーは既にどこかで柚子を調達済みで買い気がない。SOが福蜜柑をメンバーに振舞うために買った。道の法面のスイセンの株からこの冬始めて見る花が首を伸ばして咲いていた。そういえば枇杷も白い花をつけている。冬来たりなば春遠からじ。上から小型の赤色オープンカーが下って来た。結構、車の往来がある。我々はヒーヒーいいながら歩いて登りようやく桂木観音下の展望台に到着した。陽射しがある展望台駐車場には3台の車が駐車し、見回すと皇帝ダリア下で休憩の方、柚子畑で所有者と収穫中の人とか趣味のツーリングで話が盛り上がっている二人などがいる。人気スポットだ。

桂木観音展望台前面には毛呂町や竜ケ谷山が広がっていた。竜ケ谷山は12年前に干支の山として新座山の会会山行で登った。桂木観音駐車スペースの隣には公衆トイレがある。桂木観音へ階段を上るが途中の鐘撞堂では撞木がステンレスチェーンで固定されていた。ボーンという鐘音が耳に入らなかったわけだ。理由はともあれ寂しい。登って仁王門を潜り「桂木観音」のお堂前に立った。浄財箱の上、階段に焼き物の観音像が3体立ってこちらを向いていた。何か違和感もあるが尊い寄進なのだろう。

お堂の前を右に過ぎて桂木山へ急斜面の踏み跡を踏んで登る。東斜面なのだが太陽の光が杉・桧の林に遮られてととても暗い。初冬の太陽は既に山の端に沈みかけている。その上、落葉が木の根や小石を覆うので登りでも滑らないように足元注意が必要だ。尾根に登り着くと幾分明るい。平坦になった尾根筋をほんの少し進むとユーパーク分岐になる。この分岐から下ればあの桂木観音・ユーパーク・大高取山分岐になる。直進して桂木山に着いた。

今日、見慣れた形式の「桂木山」山頂標が隠れて控えめに立っていた。桂木山から大高取山の裾に至る尾根道は「最も黒木里山らしい」と感慨を受けるコースだ。感銘・感慨・大好きは人それぞれだが・・・。ちょっとした登りを歩むと黒木に囲まれた大高取山広場になる。左折(西へ)してまずは大高取山へ平坦な尾根道を向かう。

今日の最高峰である大高取山には人がいなくて静寂だ。面白い形の山名標と三角点376.2mが立つ。北東側の狭間には麓から平野が続き、日が当たる山地側の西斜面には緑ネットが張ってある。のぞき込んでみると躑躅の苗などが植樹されていた。ネットは鹿よけの為なのだ。越生梅林(ウメリン)コースへ入り、山頂部の暗い黒木林・薮を抜けて明るい黒木間伐林の中を下る。

神の座山に着いた。「神の座山」山名標と只の小岩が何個かあるだけだ。名前から見て昔の宗教儀礼場所なのだろう(写りの良い画像がなくてごめんなさい)。すぐに登り返す。大高取山にとって帰して5分ほど休憩し、三角点を再度確かめ、北を展望した。広場に帰り、道標に従って越生駅へ下る。この下山路は土を雨水が掘り、根っこも露出して足置きを複雑にしている。ザレもなく根っこと段差に注意すればいいのだが視力の落ちた身には暗いのはつらい。日が長く明るい春~初夏か初秋に通りたい。幕岩分岐に降りつき平坦になってまずは一安心した。平坦な巻道を辿り、昼食後に下って来た分岐を過ぎて、西山高取の巻道を下る。間伐で屏風のような西山高取の岩場が現れ、岩場下に間伐材が北側斜面に累々と置き去りになっていた。巻道に続く徒歩道は水とオーバーユースで露出した黒木の根っこと段差がここにもあるので注意しながら下る。分岐で巻道と分かれて落ち葉を踏みしめ高取山へ向かい、少し登った。大きなスダジイの幹に注連縄が掛り、根元には石祠も見える。

高取神社がある高取山山頂に着いた。見つけるまでもないが「高取山」山頂標を確認して東西を見る。高取神社は麓に向いているのでご神体は西山高取~大高取山にあるのだろう。松の苗木が植栽され四角に囲ってあった。ここは高取城の址でもある。境内は狭いが鳥居から越生の町が俯瞰できる。戦が起きると麓の人たちはこの山城に上がって来て籠ったに違いない。

鳥居から九十九折参道へ下る石段が急な上に各一段がとても狭い。安全のためスダジイの大木の裏に引き返して巻道から参道に入った。この細い九十九折参道は小砂利の上に落ち葉が積もり滑りやすい。13回曲がりをクリアして里へまっすぐに伸びる参道に下り着いて一安心した。参道の左右は間伐されて林床の薮が切り払われ日暮れ近くになっても暗闇が訪れていなかった。坂戸神社の赤屋根が見えてきたので里はすぐそこと分かった。注連縄が巻いてある石が鎮座しているのを右手に見て階段を下ると大高取山・高取山大高取山分岐道標に到着する。道標の一歩先は舗装車道で、車道に沿って街灯も明かりがついた民家も並んでいる。坂戸神社に参拝して舗装道路を下り、結構な伽藍が立ち並ぶ法恩寺の前庭を歩かせていただき、正門から車の往来が激しい道路を横断して一直線に越生駅に向かった。すでに駅前の商店の照明が明るい。

越生駅西口太田道灌立像の前で写真撮影を行って本日の越生リハビリ散歩のしめとした。KAのスマホアプリ(ヤマップ)のタイムでは合計で5時間35分、そのうち休憩30分、歩いた距離は11.2km、 累計標高差約700m、メンバー各自のスマホアプリでは歩数 約25000超とのことであった。怪我・手術後等のリハビリの目的は無事に達成できたと思われる。黄葉、落ち葉の静かな里山もいいが五大尊の枝垂れ桜、藤、各種の躑躅、大観山(世界無名戦士の墓)のソメイヨシノ桜、ツツジ、虚空蔵尊桜山の早咲きから遅咲き迄の種々の桜、虚空蔵尊の谷間のミツマタとコクラン、それにコースそこここのコゴメウツギやコアジサイなど、もちろん越生だから梅林と時期をかえて花めぐりをするのも越生散歩の楽しみであろう。来春が待ち遠しい。

(TI:コメント記)

越生駅西口道灌おもてなしプラザ

金毘羅山

笹山

東砥山

西山高取(昼食)

桂木山

大高取山

高取山(高取神社・高取城址)

越生駅太田道灌立像

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